確かに、仕組みとしては「電波レンジ」の方が正確な気がしますよね。
「電子レンジ」という名前になった理由は、実は中身の仕組み(物理現象)よりも、当時のマーケティング(売り込み方)や言葉の響きが大きく関係しているようです。
主な理由は以下の3点です。
1. 「電子」という言葉のハイテク感
この製品が日本で普及し始めた1960年代当時、「電子(エレクトロニクス)」という言葉は、最新技術を象徴する非常にモダンでかっこいい響きを持っていました。「電波」という言葉は、すでにラジオやテレビで聞き馴染みがありましたが、どこか「通信」のイメージが強く、調理器具としては「電子」の方が「魔法のような新時代の機械」という印象を消費者に与えやすかったのです。
2. 国鉄(現JR)の食堂車がきっかけ
「電子レンジ」という名称を最初に公に使ったのは、当時の国鉄だと言われています。
・1961年頃:国鉄が特急の食堂車にこの調理器を導入した際、メニューや案内に「電子レンジ」という名称を採用しました。
・これがニュースや新聞で紹介され、一般の人々に「これは電子レンジというものなんだ」と広まっていきました。
3. 「電波レンジ」だと「レンジ」の意味が重なる?
「レンジ(Range)」という言葉は、もともと「かまど」や「並んだコンロ」を指します。
もし「電波レンジ」にすると、日本語の感覚では「電波が出るコンロ」という少し不思議な響きになります。一方で「電子レンジ」は「電子工学(エレクトロニクス)の技術を使った調理台」という意味合いで、当時の日本人の感覚にしっくりきたようです。